2009年7月 2日

近日の道徳の変化

道徳的規範はそれぞれの地域の生態的状況や歴史の影響を受けている。また社会的状況や時代精神の影響によって変化する。例えば同性愛は中世ヨーロッパでは不道徳的で犯罪でさえあったが現在ではそうではない。社会的、人種的、性的な差別はかつては問題視されていなかったが、現代の西洋化された多くの国では不道徳的であると見なされる。もっとも、これは哲学者ピーター・シンガーによれば、道徳そのものが変わったのではなく、道徳の輪の広がりとして説明できる。

多くの心理学者やマーサ・ヌスバウムのような道徳哲学者は道徳心が発露されるには他者への共感が必要であると主張している。共感は他者を同じ共同体の一員であると見なすことによって起きる。奴隷制時代の南部アメリカでは奴隷は機械と見なされ、ナチスの収容所では意図的に凄惨な用語(例えば「殺害する」)の使用が避けられるなど、共感を排除する努力が払われたとポール・ブルームは指摘する。シンガーは近年の道徳の進歩は、道徳的共同体の一員と見なす「輪」が人種や性別を超えてかつて無いほど広がったためだと考えている。しかしこの道徳の輪は簡単に狭まるようである。

一方で心理学者ポール・ロジンによれば、これは道徳化と呼ばれる現象である。例えば喫煙は近年の道徳化の好例である。かつて喫煙は個人の趣味と嗜好の問題であったが、受動喫煙の害が理解されるようになるとともに道徳化し、喫煙は個人の趣味の範囲を超えた行為で、不道徳的で止めるべきだと考える人が増加した。逆に同性愛は無道徳化した例である。

人は何が良い行い(道徳的)で、何が悪い行い(非道徳的)なのかを判断することができる。道徳心理学者と道徳哲学者の議論の中心の一つは、何が道徳的判断を導いているのかであった。ジャン・ピアジェやローレンス・コールバーグは道徳的判断は理性の産物であり、子供は経験と学習によって理性的判断を発達させると考えた。一方ジェローム・ケーガンのような認識直観主義の心理学者は、道徳的判断が自動的に、瞬時に行われ、理性よりも直観と感情に密着していると仮定した。


『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
道徳的判断がいつでもできる人間になりたいですね。

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